ちゃっと安否確認 操作マニュアル

対象アプリ 1.0.0 一般利用者と避難所の運営担当者向け

避難所に来た人の安否、居場所、必要な支援を、運営担当者どうしで共有するアプリです。箱舟プロジェクトのTinyBoxとDelta Chatで使います。この冊子では、初めて使う方が受付から引継ぎまで操作できるように説明します。

最初に覚える三つの操作

図1 受付から引継ぎまでの基本の流れ
図1 受付から引継ぎまでの基本の流れ
  1. 名簿にいるか検索します。初めての人は「+ 新規登録」を押します。
  2. 氏名、安否、滞在状況、場所、必要な支援を入力して保存します。
  3. ほかの担当者の端末でも内容を確認します。緊急の依頼は対面や伝令でも伝えます。

「端末に保存した」だけでは、ほかの人に届いたことにはなりません。インターネットがなくても、共有にはTinyBoxへつながる通信経路が必要です。

ページ知りたいこと
2準備とアプリの開き方
3・4名簿の見方と受付 更新
5・6トリアージ記録と同時更新
7・8通信が遅いときと名簿取り込み
9・1015言語と表示の保護 集計と書き出し
11・12デモ 地域行事 困ったとき

画面は1.0.0の操作例です。人物、ID、会場、支援内容はすべて架空のものです。画面の一部を抜き出して説明しています。

2 使い始める前に

運営責任者が通信と利用者の準備をします。利用する人は、指定されたWi-FiとDelta Chatのグループを確認してください。

図2 インターネットがなくてもローカル通信経路が必要です
図2 インターネットがなくてもローカル通信経路が必要です
  1. 運営責任者に、TinyBoxのWi-Fi名、Delta Chatの設定、参加する通常グループを確認します。
  2. 運営担当者だけが参加する通常グループに「chatto-anpi-1.0.0.xdc」を一度だけ添付します。
  3. グループに届いた同じ添付メッセージを、全員が開きます。別に添付し直すと別の台帳になります。
  4. 「記録担当者」に、引継ぎ相手が分かる名前を入力します。受付Aなど、担当場所を加えても構いません。
  5. 架空の人を1人登録し、別の端末に表示されるか確認します。インターネットを切った条件でも試します。

本番を始める前の確認

アプリがTinyBoxやメールアカウントを自動設定することはありません。ブロードキャストでは共同編集できないため、通常グループを使ってください。

3 名簿画面の見方

上部の集計は、この端末が知っている記録です。未着や二重受付がある場合があるため、避難所全員の確定人数として扱わないでください。

図3 上から表示言語 集計 画面切替の順に並びます
図3 上から表示言語 集計 画面切替の順に並びます
表示意味と使い方
無事現場で安否を確認した記録です。
要救助救助が必要な記録です。アプリだけで依頼を完結しません。
病院搬送病院へ搬送した安否記録です。
未確認安否未確認や連絡取れずの記録を集計します。
名簿 要対応 履歴 通信・運用名簿は検索、要対応は支援や再確認、履歴は変更の経緯、通信・運用は送信と案内を確認します。
  1. 検索欄へ氏名、受付番号、場所、支援の言葉を入力します。
  2. 「無事」「要救助」「要配慮タグ」などで絞り込みます。「全て」で解除します。
  3. 個人のカードの「詳細・更新」を押すと、内容を確認して修正できます。

同時更新がある安否記録は、4枚の集計へ一方的に割り当てません。「同時更新」で候補を確認してください。

4 新しく受け付ける 記録を更新する

同じ人を二重に登録しないよう、最初に名簿を検索します。既存の人は「詳細・更新」、新しい人は「+ 新規登録」を使います。

図4 氏名と番号を入力します。仮名での受付もできます
図4 氏名と番号を入力します。仮名での受付もできます
図5 安否と滞在状況は別々の項目です
図5 安否と滞在状況は別々の項目です
  1. 記録担当者と氏名を入力します。受付番号・世帯番号、入退場IDが分かれば入力します。
  2. 安否を選びます。判断できない場合は「未確認」のままにします。
  3. 滞在状況と現在地を記録します。支援が必要な場合は、内容・担当・進み具合を簡潔に書きます。
  4. 「この端末に保存して共有」を押します。保存の表示を確認し、必要に応じて別端末で照合します。

「無事」は安否、「在所」「一時外出」「退所」は滞在状況です。在所だから無事と決めつけません。同じ世帯番号を家族で共有する場合も、氏名は1人ずつ登録します。

5 観察とトリアージを記録する

トリアージは救護の優先度に関する記録です。このアプリは診断や自動判定をしません。訓練を受けた担当者の判定を、観察した事実と分けて記録します。

図6 観察 判定 担当者 時刻を一組として記録します
図6 観察 判定 担当者 時刻を一組として記録します
  1. 個人の「詳細・更新」を開き、下へ進んで「観察した状態」に事実を記入します。
  2. 判定記録は、担当者が実際に行った判定を選びます。判定前は「未判定」のままにします。
  3. 観察・判定担当者と現地の観察時刻を入力します。必要なら「現在の時刻を使う」を押します。
  4. 実物のタグ番号、救護・搬送・引継ぎ内容を記録して保存します。状況が変わったら再評価して更新します。

観察や判定を保存するには、担当者と時刻が必要です。黒の判定記録だけで、安否を死亡と認定したり自動変更したりしません。緊急時は対面・伝令でも救護担当へ連絡してください。

6 同時更新の候補を確認する

通信が途切れている間などに、2人が同じ項目を違う内容へ変更すると、両方を候補として残します。古い端末の値で、新しい情報を黙って消すことを防ぎます。

図7 候補ごとの値 担当者 時刻を確認してから確定します
図7 候補ごとの値 担当者 時刻を確認してから確定します
  1. 名簿の「同時更新」で対象者を探し、「詳細・更新」を開きます。
  2. 各候補を読みます。画面の時刻だけで決めず、本人や担当者へ確認します。
  3. 採用する候補の「この候補を入力欄へ」を押します。必要なら内容を修正します。
  4. 全候補を確認したことのチェックを確かめ、保存します。保存後に再び候補が出たら、新しく届いた情報も確認します。

別々の項目を変えたとき

片方の人が「場所」、もう片方が「支援」を変更した場合は、それぞれを合わせます。トリアージは、観察・判定・担当者・時刻を別の人の組み合わせにしないよう、一組で候補を残します。

画面に「観察時刻を再確認」と出たら、古い記録や未来時刻の可能性があります。端末の時計も確認してください。

7 通信が遅いときの確認

保存できた記録でも、ほかの端末へすぐに届くとは限りません。画面上部と「通信・運用」で確認します。

図8 保存と到達確認は段階が異なります
図8 保存と到達確認は段階が異なります
図9 初期履歴と最終受信を確認し 必要なら再送します
図9 初期履歴と最終受信を確認し 必要なら再送します
表示や状況担当者がすること
保存この端末に記録した段階です。別端末でも内容を照合します。
未受付が残るTinyBoxのWi-Fiやローカル配送を確認し、アプリを開いたまま待ちます。必要なら「未受付の更新を再送」を押します。
未受付がなくなったDelta Chat側の受付を確認できた段階です。他端末への到達や閲覧を保証する表示ではありません。
初期履歴が読めない 保存に失敗入力を確定したと思い込まず、運営責任者へ連絡します。紙の記録を併用します。

8 ちゃっと入退場から名簿を取り込む

既存の安否・支援・トリアージ記録を上書きせず、入退場の人物名簿を追加できます。継続的な自動連携ではなく、ファイルを渡す操作です。

  1. ちゃっと入退場でJSONバックアップ、入退場CSV、または世帯・状態CSVを出力します。
  2. 名簿の「ちゃっと入退場から名簿取り込み」を押し、ファイルを選びます。内容の貼り付けも使えます。
  3. 候補の氏名・人物IDを照合します。同じIDは追加しません。同姓同名は本人を確認してから選びます。
  4. 必要な場合だけ最終滞在状況・場所の引継ぎを選び、担当者名を入力して確定します。
図10 取り込む人にチェックを付け 内容を確かめて確定します
図10 取り込む人にチェックを付け 内容を確かめて確定します

人物IDは入退場IDへ、世帯IDは受付番号・世帯番号へ引き継ぎます。世帯名と関係はメモへ残します。住所・電話・メール・医療メモは自動取り込みしません。

安否は必ず「未確認」で始めます。入場を無事とは判断しません。UTF-8のファイル、20MBまで、1回3000人までに対応。取り込み後の一括取消はないため、確定前に確認してください。

9 表示言語と個人情報の表示

上部の「表示言語」で変更します。言語はこの端末だけに保存され、ほかの担当者の画面には影響しません。氏名、担当者名、メモなどの原文は翻訳しません。

図11 英語表示の例
図11 英語表示の例
図12 アラビア語では右から左の配置になります
図12 アラビア語では右から左の配置になります

日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語・ベトナム語・タガログ語・フィリピン語・ポルトガル語・ネパール語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・アラビア語・インドネシア語・ロシア語の15選択肢があります。

人に画面を見せるとき

図13 表示を伏せた名簿の例
図13 表示を伏せた名簿の例
  1. 上部の「表示を伏せる」を押すと、名簿の氏名、場所、支援・医療の詳細と履歴内容を隠します。
  2. 必要になったら「表示を戻す」を押します。編集や取り込みを開いている間は、その画面を閉じてから切り替えます。

受付番号や安否は表示に残ります。データを匿名化したり、参加者の閲覧権限を制限したりする機能ではありません。

10 履歴 集計 ファイルを引き継ぐ

「履歴」では、誰がどの項目を変更したかを確認できます。受信順や端末時計は実際の発生順・正確な時刻を保証しません。

図14 変更した項目と担当者を確認できます
図14 変更した項目と担当者を確認できます
  1. 人数を報告するときは「通信・運用」の「集計テキストを作成」を押します。
  2. 「集計をDelta Chatへ渡す」を押したら、Delta Chatで送信先と内容を確認して送ります。
  3. 個人記録が必要なときだけ、名簿のJSON/CSV書き出しを使います。確認画面を読み、共有先を確認します。
図15 集計はこの端末が知る人数で 氏名や医療メモを含みません
図15 集計はこの端末が知る人数で 氏名や医療メモを含みません
出力含まれるもの
集計テキスト氏名・医療メモを含まない人数の集計。未着や重複は要照合。
JSON個人記録、全更新履歴、未受付ID。個人情報を含みます。
CSV個人記録の一覧。同時更新の候補も残します。医療情報を含む場合があります。

出力した安否確認JSONを、このアプリへ復元する機能はありません。ファイルを出力しても、送信済み記録の消去にはなりません。

11 単体デモと地域行事で練習する

インターネットやDelta Chatを使わずに操作を覚えるなら、単体デモのindex.htmlをブラウザーで開きます。CSS・動作・アイコンを含む1ファイルです。

図16 上部に単体デモと表示される画面は 本番へ送信しません
図16 上部に単体デモと表示される画面は 本番へ送信しません
  1. index.htmlをChromeやEdgeなどで開き、架空の6人が表示されることを確認します。
  2. 1人を登録し、安否・滞在状況・支援・言語切替を試します。名簿取り込みサンプル.csvでも練習できます。
  3. 初めからやり直すときは、上部の「デモを初期状態に戻す」を押します。

地域行事で使うとき

単体デモは、このブラウザーの中だけに保存し、他端末と共有しません。ブラウザー保存が使えない場合は、閉じると入力が消えます。ファイルの移動で保存場所の扱いが変わる場合もあります。

12 困ったときと運営上の確認

登録した人が別の端末に見えません

同じ添付メッセージを開いているか確認します。TinyBoxへの接続、未受付件数、相手側の初期履歴も確認してください。再接続後は両端末でアプリを開きます。

同じ名前や番号の注意が出ました

同姓同名や、家族で同じ世帯番号を使っている場合もあります。本人と人物IDを照合し、名前だけで同じ人と決めないでください。自動名寄せはしません。

取り込みに失敗しました

ちゃっと入退場の対応するJSON/CSVか、文字コードがUTF-8か、人物ID・日時・チェックサム・容量を確認します。人物IDのない旧CSVは、人物ID付きの出力かJSONバックアップに替えます。

保存できない 画面を開けません

保存領域の不足や設定を確認します。保存失敗は共有完了ではありません。入力を失わないよう紙にも記録し、運営責任者へ引き継いでください。

誤記録を消したい 別の端末へ移したい

修正は「詳細・更新」で行いますが、前の値は履歴に残ります。全端末の履歴消去、一括取消、旧版の添付台帳の自動置換はありません。記録の保全・整理は運営責任者が行います。

交代前に確かめること

対象は1.0.0です。実機Delta Chat・TinyBoxでの受入確認と、対象言語の母語話者・医療専門家による翻訳校閲は未実施です。本番前に利用環境と用語を確認してください。